最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1209 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
弁護人山崎今朝彌、同渡辺卓郎上告趣意第一点について。
旧刑訴の公判調書には、公判が公開されたことを特に記載する必要はなく、公開
を禁じた場合に、その旨及びその理由を記載するをもつて足るものであること(旧
刑訴六〇条四号、尚現行刑訴規則四四条七号各参照)は、当裁判所の判例とすると
ころである(昭和二二年(れ)第二一九号、同二三年六月一四日大法廷判決、判例
集二巻七号六八〇頁)。されば本件第一、二審の公判調書に公判を公開した旨の記
載のない一事をもつて、非公開の法廷であり、よつて所論違憲であるとの論旨は到
底採るを得ない。
同第二点、第三点について。
原判決の認定した、判示第一の所為は正に暴行脅迫の所為に該当し、判示第二の
所為も不法監禁の所為に該当することは明らかである。そしてかゝる所為は正当な
る争議行為としての範域を逸脱し、また旧労働組合法一条二項の定むる刑法三五条
の所定の行為に該当しないことは何れも当裁判所の下記註記判例の趣旨に徴し明白
である(昭和二二年(れ)第三一九号、同二四年五月一八日大法廷判決、判例集三
巻六号七七二頁)。また以上の場合、団体又は多衆による暴行脅迫は暴力行為等処
罰に関する法律一条違反の罪を構成するものであること、並びにそれが憲法二八条
に違反するものでないことは何れも当裁判所下記註記判例の趣旨に徴し明らかであ
る(昭和二五年(れ)第六二三号、同年七月六日第一小法廷判決、判例集四巻七号
一一八七頁。昭和二五年(れ)第九八号、同二六年七月一八日大法廷判決、判例集
五卷八号一四九一頁。昭和二五年(あ)第四八一号、同二七年六月二七日第二小法
廷判決)。されば論旨は何れも採用に値いしない。
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尚記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由あるものとは認め
られない。
よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見によつ
て、主文のとおり判決する。
昭和二七年一〇月三日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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